先日(7月5日)の金曜日にBBCを開催しました。
有限会社工房かがしやの谷さんによる「特許製品を日本に広める」というタイトルで発表されました。
工房かがしやさんでは、「お客様に喜ばれる製品を作る」をモットーに銅・アルミ製品の製造、加工、修理を行っており、ホテルなどのレストランでプロが使用されてるフライパンの修理&テフロン加工もされている、モノづくりの会社さんです。
今回の発表では、ある「きっかけ」で製品化を考え、その製品の発表と特許取得のお話しをしていただきました。
「きっかけ」とは新聞記事でした。
きっかけ
2017年8月6日の毎日新聞の記事で、東京・築地場外市場の火災がラーメン店からの火元であり、出火原因はガスコンロの熱が壁に伝わったことによる「伝導過熱」であったことが書かれてました。
伝導過熱とは、コンロの近くの壁に熱が伝わってこもり、蓄積熱により炭のようになることのようで、それが突然発火することのようです。
この記事より、「ラーメン屋の火災を防ぐことができないだろうか?」と考え、寸胴鍋の周囲にカバーを取り付ける製品を思いついた。
同時にカバーを付ければ、空気層ができ保温機能や沸騰までの時間を短縮できるのではないかと期待感を持ち、また特許もだれもとってなければ、発明として出願してみようとなりました。
開発から製品化
「防火」という性能は、カバーの下部にロックウールという防火材を入れて、囲んで溶接して閉じ込める。
保温機能については、寸胴鍋の取っ手部分の少ししたまでカバーで覆う。
カバーは取り外し可能にするため、2分割にして、一つは蝶番(ちょうつがい)にし、ピンを挿して止め、もう一つはキャッチクリップのように簡単に止めれるようにした。
寸胴鍋510mmサイズ | カバーなし | カバーあり | 結果 | 備考 |
部屋の気温 | 気温24℃ | 気温24℃ | – | 火を付ける前 |
水(100リットル) | 温度24℃ | 温度20℃ | – | 火を付ける前の水温 |
沸騰までの時間 | 128分 | 65分 | 50.7%時短 | |
沸騰時の部屋の気温 | 気温24℃ | 気温25℃ | – | 沸騰が始まったときの気温 |
ガス使用量(都市ガス) | 2.227㎥ | 1.194㎥ | 52.4%削減 | |
火を止めて2時間後 | 温度68℃ | 温度72℃ | – | 昼営業から夜営業までの時間を想定 |
再沸騰まで | 52分 | 30分 | 56.7%時短 | |
ガス使用量(都市ガス) | 0.942㎥ | 0.559㎥ | 59.3%削減 |
※寸胴鍋サイズ、ご使用状況や環境によって効果は異なります。
特許取得について
特許取得までかなり時間がかかったのも意外なことでした。。。
(詳細は割愛させていただきますが、約1年かかりました。このくらいかかることが普通だとか??)
最後に
発表後、質疑応答から、この製品をどう広げていくかの意見や、問題点、気を付ける点も含め、たくさんの意見をいただきました。
発表された工房かがしやの谷さんは、発表して色んな意見を聞けて、また色んな発想ができて良かった!楽しかった!と喜んでおられました。